もう、迷わない。

親なら、迷う。
今の選択が、果たして正しいのか。
子どもたちにとんでもないことを背負わせることになりやしないかと。

厳密に言えば、常に見えないものが降っている場所にいるわけだから。
迷う。


信じたり、迷ったり、日々時間ごとにその繰り返し。


夫に、今の判断で良いのかもう一度聞いた。


「お前が迷うな」
と怒られた。

「俺も散々迷ったよ。でも、お前が情報を必死に集めて大丈夫だと一度は判断したことだろ。信じることにしたんだろ。
俺はお前の判断を信じたから今は何も怖くない。
例え明日子どもたちが被曝したって、お前が精一杯やっての結果なら、俺も子どもたちもお前を責めたりはしないよ。
だから何も迷うな。」


涙が止まらなかった。
こんな夫婦喧嘩をしたことが、あぁこんなこともあったねと笑える日がやってくるのを信じよう。


この、福島の地でこの人の傍らで。



■今日のかわいいゲストから頂いたお花。「春らしいお花にしてください」とオーダーしただけあって、パステルな春いっぱいのアレンジ。
素敵な絵も、嬉しかったよ。
  

2011年04月07日 Posted by mikttymama at 00:36Comments(2)みきてぃんちの毎日☆

震災から、今まで。

長くなるかもしれません。
そしてネガティブな内容になるかもしれません。
でも、私の周りで現実に起こっていることをきちんとお知らせしようかと思います。


今日、朝起きたら、快晴でした。
空は青くて、ぽかぽかと春の陽気。
でも、窓は開けられなかった。
外に洗濯物を干すこともありません。
お布団だって、干せません。

微量であっても、見えないものが降っている。
現実に、数値で出ている。
いくら健康に害がないとはいえ、せめて「家」ぐらいは
子どもたちのために安全な場所にしておいてあげたい。


子どもたちが外で遊びたいと言う。
私は遊ばせています。
でも、時間を決めて。
小児用のマスクと、外用のウィンドブレーカーを着て。
自宅の屋根付きのウッドデッキにさえ、どこか出すのをためらってしまう。





お料理をするとき。
お水を使います。
浄水器から出るいつものアルカリイオン水。
お味噌汁やスープ、ご飯を炊くのにも。
もちろん、安全性は証明されている。
でもどこか安心しきってはいません。
1歳半の娘には影響がないのか?
4歳になったばかりの、幼稚園の娘は?
8歳の、小学3年になる娘には?
換気扇もなるべく控えています。





昨日焼いた、都路の卵で作ったシフォンケーキ。
おいしい、おいしいとおやつに食べてくれる
このかわいい娘たちに、影響はないの?
自分が作ったおやつでさえ、不安は消えません。


新学期がはじまります。
幼稚園、8日から。
小学校、11日から。
普通に幼稚園バスにのせて、登園させてもいいのか。
普通に集団登校で送り出してもいいのか。
複雑です。わかっていても。
だって、福島原発から55kmしかないのです。
屋内避難区域から、たったの25kmのところに我が家はある。
小野や田村、飯館、川俣にいる友人はもっと深刻。
田村市の友人から電話がきて、
「数値は低いけど人っ子ひとり、外に出ていないの。
子どももだけど、大人だって限界だよ。」
そう言っていました。


母親なら、自分はどうなってもいいから子どもだけは守りたいと思うのが普通。
大丈夫なのはわかっているけど、少しでも守りたいと思っている。

チェルノブイリの事故と今回の事故とは違うとわかっています。
研究者の方の文献や、海外のメディアからの情報、テレビ、ラジオ、
ありとあらゆるものを必死になって調べ、ここに住む友人たちと情報共有し、
「いまのところ安全」なのはわかっています。
でも、やっぱり心配。見えないものだから。


頭では理解していても、心が痛みます。



テレビをつける。
普通の番組がやっている。
「お弁当特集」や、「収納特集」。

ニュースをやっている。
津波で大被害を受けた被災地の方へのインタビュー。
自衛隊や米軍の放射線特殊部隊、フランスの企業協力について。
ACの「がんばろう日本」のCM。
そしてテロップで、水や市町村の放射線測定値。

どちらも見ているのがつらくて、時代劇に変えました。
「どうして変えるの?」と言われたから、
「ママ疲れたんだよ。」と素直に伝えました。
下娘が、「ママ、疲れているなら2階でひとりで休んできてもいいよ」と。
嬉しくて、切なくて、でも涙をこらえました。




震災後、テレビや携帯の緊急避難速報と、
「ゆてれる」という単語を覚えた末娘。
それを聞くと「こわいー」と泣きながら走ってきます。
よっぽど怖かったのでしょう。
授乳期はとっくに過ぎたのに、あれ以来夜泣きがおさまらず、
おっぱいを触ると安心して眠りにつきます。
抱っこしすぎた私の手は腱鞘炎になりました。



お隣の茨城県へ一時避難していたときのこと。
上娘が体調を崩し、近所の総合病院へ。
受付で保険証を提示すると、受付の方が奥でひそひそ話。
小児科の医師がいないということだったので
内科医であるそこの院長先生が見てくださいました。
思いっきりいやな顔をされ、一応お薬をもらうことができました。

次にその病院へ行くと、外来受付の前に大きな張り紙が。
「福島から非難された方へ
福島原発より20~30kmの屋内退避区域の方は、除染を行ってから来院してください。
スクリーニング検査も受けてください。」
そこには赤でアンダーラインがひいてありました。
医療機関なのに、悲しくて、悔しくて。
結局その日は看てもらえず、帰ってきました。



震災後、情報を届ける側にいた友人。
女の身で遠く離れた実家に戻りたくても、
会社へ出勤し続けなくてはならなかった。
非常事態、そしてどんどん交錯する情報の渦。
緊急会議の時に彼女はこう言ったそうです。

「将来、他県の人と結婚するときに、
あんたは原発のときに福島にいた人だから、
息子と結婚させられないと言われたら
会社が責任をとってくれるんですか!」

心の叫びだと、そう思います。
私だって、将来娘たちが同じように言われるかもしれない。
私は結婚して子供を産んでしまったからいいけれど、
それではあまりにも娘がかわいそうです。




富岡町の役場に勤めていた友人の彼。
あの津波で、住んでいたアパートと車を流され、
やっとのことで彼女と一緒に川内村まで逃げましたが
原発事故で再度避難生活をしなければならなくなりました。
一昨日の深夜、その友人からの1通のメールが。

「やぁが、災害対策本部に移動になりました。
一緒に南相馬へ行って、彼を支えてきます。
私は大丈夫。中村家も無理せずに。」

福島原発の現地で支えている作業員の方は
ほとんどが双葉や浪江、原町、富岡に住んでいた方なんだと聞かされました。
東電の下請け、孫請けの会社の方だそうです。
自分の家が津波で流されているのに、今は見えない恐怖と戦っている。
自衛隊や消防庁の方。警察の方。そのご家族、ご友人…。
ありきたりの言葉ですが、ただただ、感謝せずにはいられません。



我が家は陸上自衛隊の郡山駐屯地のすぐ近くです。
1日中、自衛隊のヘリコプターが家の上を行ったりきたりしています。
陸上自衛隊に勤務する友人のパパは、
震災後、一度も家族に会わずに被災地で救援活動にあたっていると言っていました。
でも「それがパパの任務だから」と言って、彼女は泣いてはいませんでした。
まだ3歳の娘ちゃんと一緒に、パパの任務が終わるのを待っています。



今日、子どもたちに、
「牛乳を搾ってるおじちゃんや、野菜を作っているおばちゃんたちに
いつもありがとう、ごちそうさまってお手紙書いてくれないかな?」
そう娘たちに言いました。
「なんで?」と上娘と下娘。
「今、原発の事故があって、福島の牛乳やお野菜が売れなくなっているから
ママ、おじちゃんやおばちゃんを元気にしてあげたいの。」
4歳の下娘が、「どうして売れないの?だったらママが買ってあげたらいいじゃん。」
「原発って爆発するからなの?」と言う。
なんて説明したらいいかわからなくって、娘たちに今自分が感じている恐怖と
同じ思いをさせたらいけないと咄嗟に思って、
「国が、売っちゃダメって決めちゃったんだって。牛乳も牛さんから搾ったら
捨てなくちゃいけないんだよ。おじちゃんたち搾っても売れないからお金にできないの。」
それだけ伝えました。



子どもたちは無邪気に、「ぽぽぽぽ~ん♪」と歌っている。
避難所へ行けば、すぐにいろんな子と友達になって、
いろんなものを遊び道具にして遊んでいます。
この子たちに、私はどれだけのパワーをもらったことか。


私は津波で家を流されたわけでもなく、
ライフラインが使えず困っているわけでもありません。
大切な家族を失ったわけでもなく、
避難所でなく、自宅で過ごすことができています。
被災地ではあるけれど、本当に深刻な場所と比べれば
被害は少ない。
風評被害や出荷停止で大打撃を受けている、生産者さんでもありません。
甘いといえば、甘いのかもしれない。


でも、こういう生活をしています。
おそらく、ここにいる友人たちはみんな、
不安を抱えながらも笑おうと必死に日々過ごしている。
他の方が大変ならば、自分たちが支えようと同じ思いを抱えて。
地元ふくしまのために、みんな今できることをやろうとしてる。


今日はエイプリルフール。
誰かのツィートにあったけれど、
敢えて嘘をつかれているのなら、今までのことが全て嘘だったらいいのにとおもう。
でも、やっぱり、前を向かなくちゃ。



「ありがとうふくしまプロジェクト」
子どもたちのおいしいの笑顔と、「いつもおいしいごはんをありがとう」
そんなお手紙・メッセージを募集します。
こどもたちがおひゃくしょうさんに宛てたお手紙、
小さい子供がいるママから「今は不安だけど、出荷されたらきっと買います!」という
メッセージなど、絵でも、手形でも、なんでもOK!
県内の方はもちろん、他県にお住いの方でも「福島に友人や親戚がいる」
「実家が福島」など、応援メッセージも募集いたします。

詳細はこちら→




今日も遊びに来てくださってありがとうございます
↓↓↓↓↓↓
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
そしてたくさんの応援RT、ありがとうございました。
会津の工房鈴蘭さん、ブログでのご紹介、ありがとうございました。
やれるひとが、やれることを、やれるだけ。
これをコンセプトに、頑張ろうと思っています!








  


2011年04月01日 Posted by mikttymama at 15:19Comments(5)みきてぃんちの毎日☆

ありがとうふくしまプロジェクト。

ふるさとへ帰ってきたら、何かせずにはいられませんでした。


昨日、壊れたテレビの代替え品を借りに、福島市の実家へ。
父親といろいろ話すうち、先日NHKで流れた、
原発事故の影響で原乳やほうれん草が出荷停止になったニュース。
あの二本松市の酪農家さんが同僚のお兄さんだったと聞かされました。
実際には、こちらの原乳は基準値を全く超えていなかったそうです。
なのに何故捨てなければならなかったのでしょうか。






写真は酪王牛乳を飲むうちの下娘と末娘。
「ぎゅにゅ、くだしゃい」と行ってキッチンへ来るのが日課です。



今市場に出ている牛乳や野菜は、「福島産」と書かれているものでも
基準値を超えているものは出荷されていません。
ハウス栽培や原乳を他県から仕入れて作っているものばかりです。
スクリーニング検査を受け、安全性が確かなものしか市場には出ていません。

これまで一生懸命牛乳を搾ったり、お野菜を作ってきた福島の農家さんたちは
今出荷停止を余儀なくされ、収入の面でも当面の見通しが立たず
本当に途方に暮れていると思います。

出荷できたとしても「福島産」「茨城産」と記載があるだけで
安全なものも売れなくなり、市場に出す値段も大幅に下がっています。



知り合いの農家さんのお宅では、いつもお米を買ってくれていた
関東方面のご親戚から電話があり、
昨年収穫して貯蔵してあるお米であるにもかかわらず
「今年は悪いけどいらないから。」
と言われたそうです。


今年農家を継いだ、二代目の息子さん。
精度の高い無農薬野菜を作るために、長い年月をかけて懸命に改良した土壌。
両親の志を受け継いでこれから頑張ろうと、希望に満ち溢れていたそうです。
今はただ、ただ、現状に涙している。



そんな生産者の方たちに、私たち買う側の立場から
「負けないで」そして「ありがとう」の声を伝えたい。
子供たちがここまで成長してこれたのも、
ふくしまのおいしい食べ物のおかげ。
それを作ってきたおじさんやおばさん、
ふくしまの農業を背負って立とうとしていた若い世代の方が
今元気をなくしているんだもの。


原発事故の影響が心配で、おうちにいる春休み中のこどもたち。
みきてぃおばちゃんにすこしだけ力をかしてください。
そして、子供たちに食べさせるもの、飲ませるミルクに日々悩んでいるお母さんたち。
毎日観測される数値に一喜一憂して心を痛めていることと思います。
早く安心して地元のものが食べられるように、力を貸してください。
たくさんの心をお待ちしています。







「ありがとうふくしまプロジェクト」

子どもたちのおいしいの笑顔と、「いつもおいしいごはんをありがとう」
そんなお手紙・メッセージを募集します。
こどもたちがおひゃくしょうさんに宛てたお手紙、
小さい子供がいるママから「今は不安だけど、出荷されたらきっと買います!」という
メッセージなど、絵でも、手形でも、なんでもOK!
県内の方はもちろん、他県にお住いの方でも「福島に友人や親戚がいる」
「実家が福島」など、応援メッセージも募集いたします。


了承いただける方はお子さまのお写真とメッセージを
私のブログ(http://mikttymama.exblog.jp/)でご紹介させていただきます。
また、企画を予定しておりますイベント等で掲載させていただきます。


数がまとまりましたら小冊子にして、生産者の方へ届けようと考えております。
(ブログやTwitterなどが苦手な世代の方にメッセージを届けるため)


■e-mailで…お名前・ハンドルネーム・お住まいの市町村・ブログやイベント掲載の有無、
生産者の方へのメッセージを記載、お子様の「おいしい笑顔」の写真を添付の上
cookingstudioi-e@hotmail.co.jpまでお送りください。
(大変申し訳ありません!メールアドレスが一部大文字になっており、修正しました)
PCからの方は、お子様のお手紙をスキャンしたものも添付して頂けると助かります。

■お手紙の場合…お名前・ハンドルネーム・ご住所・ブログやイベント掲載の有無、
生産者の方へお子様からのお手紙、できればお子様のお写真同封の上
〒963-0201
福島県郡山市大槻町前畑43
郡山西郵便局留め
CookingStudio「I-e」中村美紀宛て
 にお送りください。

・頂いた個人情報につきましては、上記のことにのみ使用させていただきます。


募金ができなくたって、原発の影響が心配で外にでられなくたって。
故郷を離れて遠くにいたって、誰だって心は届けられるはず。



今日も遊びに来てくださってありがとうございます
↓↓↓↓↓↓
ACのCMではないけれど、
これが、「いまじぶんにできること」のひとつではないかと。











  


2011年03月31日 Posted by mikttymama at 17:24Comments(0)みきてぃんちの毎日☆

ただいま!故郷。

昨日、郡山の自宅へ戻ってまいりました。
ぽかぽか陽気でなんだか思っていたよりとっても平和で、ほっとしました。


ガソリンスタンドもあまり並んでないし、お店へ行けばミネラルウォーターも売っている。
車も普通に走っているし、自転車に乗っている人もいる。


やはり、みんなマスクしているけど。



今朝、煮干しと鰹でゆっくり出汁をとって味噌汁を作りました。

東屋さんで買った福島産のにらと、卵のかきたま汁。
娘たちも残さず食べてくれ、気付いたら末娘が椅子の上で寝ていました。


平和な日常にまたほっとして、気が緩んだら自分が結構疲れていたことに気づきました。


休めるときは休もう。
  

2011年03月30日 Posted by mikttymama at 16:27Comments(2)みきてぃんちの毎日☆

Operation TOMODACHI。

先ほど、フジテレビのスーパーニュースで米軍の支援活動について安藤キャスターがリポートしていました。
米軍の被災地支援作戦の名前は「Operation TOMODACHI」。
腕の赤いワッペンには「友」の字が。
http://gxc.google.com/gwt/x?client=ms-kddi_blended-jp&wsc=tb&wsi=75053aa69a87c4b5&u=http%3A%2F%2Fsankei.jp.msn.com/affairs/photos/110327/dst11032700550004-p1.htm&ei=ukyQTbuAJ4afkAX557SVDw


米軍の司令官が言っていた一言に感動。


「友達が求めるならいつでも助けに行くよ。
それが友達ってことだからね!」



気仙沼の被災地に運んだ救援物資の中にはたくさんのおもちゃ。
避難生活が長引く今、消耗品や食料の他少しでも「遊び心」が必要になってきたのでは。


だって、自分のトモダチに持って行ってあげたいものだから。

アメリカ人の素敵な心遣いにきゅん。


友人の携帯には、本場米国のディズニーランドから「PRAY FOR JAPAN!」の文字が書いてあるスケッチブックを持ったミッキーマウスの写真が。


きゅん。素敵だなぁ。



■写真はトンチキてぃのこおりやまグリーンカレー。
帰ったら友達とこれを食べに行こう^^
外食したり、美容院に行くのも、地元復興支援のひとつだということですので。
  

2011年03月28日 Posted by mikttymama at 18:33Comments(0)みきてぃんちの毎日☆